第27走者｜シャカ

1997年結成。香川県高松市出身で幼なじみの植松俊介（うえまつしゅんすけ）、大熊啓誉（おおくまひろたか）からなるコンビ。身近で分かりやすいコントは構成・キャラ共に秀逸で、笑いと共に感動を呼び起こす。また単独LIVEは1つのストーリーを軸に幾つものコントを組み込む“映画的・演劇的”な逸品。現在香川県のＣＭ『うどん県』にJR四国の乗務員役で出演中。

芸人という職業に就いて、恵まれている事の１つに、仕事で色んなところに行けるという事があります。
実は僕たち、４７都道府県すべて行った事があるというのが自慢でして、それぞれの場所で思い出がありますが、その中でも強烈に印象に残っている場所があります。

それは岡山県の山奥。その仕事は、人の自慢話を聞きにいくという趣向のバラエティー番組だったんですが、たった一人で、野趣溢れる五右衛門風呂を作った人がいるというので、そこへロケに行った時の事です。

ロケのメンバーは僕らコンビと、真面目を絵に描いたような地元の放送局の新人アナウンサー、Ｍ君。
その日は小雨模様、ぬかるんだ山道を上っていくとそれはありました。
ロケーションとしては、山の壁面に３m程の川幅の川が流れており、その先には滝。
そして、その川から斜めに大きな岩が突き出し、その岩の先に素人が作ったとは思えない程立派な五右衛門風呂がありました。
五右衛門風呂は、お湯を暖めている薪の火力を上げるとすぐに熱くなるという特徴があるので、まず、植松君が入り、内緒で火力を強めて熱がり、お風呂から飛び出すというリアクションで盛り上がりました。

そして、同行した岡山の放送局の新人アナウンサーも、せっかくだからその五右衛門風呂に入ろうという流れに。それは誰がどう考えても、同じようにお湯を温められて熱がり、お風呂から飛び出すというリアクションの流れだったんですが、その新人アナウンサーＭ君が超真面目な性格だったため、ギリギリまで我慢してしまい、現場は変な空気に。
一度カメラを止め、植松君がやったようにやればいいだけだからと助言を加え、再び撮影に。

しかしＭ君は先程、相当我慢していたらしく、入るなり奇声をあげながら勢い良く湯船から飛び出したかと思うと、足場の岩場が小雨で濡れていたため見事にスッ転び、その勢いで腰に巻いていたタオルが取れ、全裸のまま斜めに置かれた岩を滑っていき川にダイブ！そしてそのまま川に流されて行き、最終的にその先にある滝に落ちるという、奇跡としか言いようのないリアクションを取ったんです！
そして、その５分後、恥ずかしそうに葉っぱで股間を隠しながら無傷で帰って来るという芸人泣かせにも程があるオチまでつけて・・・あの記録的なリアクションを取られた後の植松君の切ない表情、今でも忘れられません。