いよいよ新年を迎えるにあたり、今年は何か新しい事を学びたいなぁ〜と思っている読者も多いのでは?そこで今回は、普段から贈ったりもらったりとみじかな存在でありながら、以外に基本的な事を知らない人が多い「花」のいけ方について、日本を代表する華道家・假屋崎先生を特別ゲストに迎え、初心者でも分かる「いけばな」の基本を学ぶべく、本誌の監修を務めるCO-KEYが初心者を代表して「いけばなテスト」を受験!そこから浮き彫りになった様々なポイントを大公開します!!

假屋崎省吾

假屋崎省吾

華道家。美輪明宏氏より「美をつむぎ出す手を持つ人」と評される。独特の色彩感覚と繊細かつダイナミックな唯一無二の作風は、空間の魔術師とも呼ばれ、世界各地で「華道」を広める活動と共に個展やデモンストレーションを開催。これまでに今上天皇陛下御在位10年記念式典の花装飾の総合プロデュースをはじめ、数多くの式典や博覧会などをプロデュース。また、現在観光大使を務める徳島県美馬市において、2007年より個展「うだつをいける-美来創生-」を毎年開催し、2018年にはシンビジウムの生花を使ったコサージュ展示記録に挑戦し、「世界で最も多いコサージュ展示(7585個)」の世界ギネス記録にも認定された。現在は、着物・ジュエリーなどのデザイナーとしても活躍する一方、人気テレビ番組「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」のレギュラー出演に加え、「教えて!NEWSライブ正義のミカタ」、「プレバト!!」など数々のメディアにも出演し、華道歴35周年・60歳(還暦)を迎え益々活躍の場を広げている。

假屋崎 省吾 オフィシャルサイト  http://kariyazaki.jp/

いけばなテスト

お花を選び、それに合う花瓶も選び、それで実際にいけてみましょう。(制限時間60分)

お花屋さんで花選び

まずはお花屋さんでのお花選び。色も大きさも形も想像以上に種類があり、いきなり悪戦苦闘…。

悩みに悩んだ末、最終的には「ピンク」と「ライトグリーン」の組み合わせで花をチョイス!

花瓶選び

続いては、假屋崎先生の教室にて数百種類の花瓶の中から先ほどチョイスした花にマッチする花瓶探し。

こちらも大きさや色、更には背の高い低いなど中々絞り切れず、ひとまず三種類の花瓶をチョイス!
実際に花束をそれぞれの花瓶に軽く入れてみたりして、最終的にアイボリーの少し背の高い花瓶に決定!

花をいける

いよいよ花を実際にいけてみることに。まずは失敗しないように茎を少しずつ切って一本ずつ刺してみるものの、中々バランスが上手くとれず…。
何度も修正してるうちに、茎が折れたり千切れたりして使えなくなるなど、思わぬ事態が多発し焦りまくる中…そろそろタイムアップ!

ギリギリまで微調整しながら、なんとか時間内に完成!!

結果発表

いよいよ假屋崎先生の判定!そして手直し!!

遂に假屋崎先生の判定。パッと見るなり、全てを見透かした笑顔を浮かべていきなり一言…。「色合わせは非常にいい!色彩のセンスは抜群です♪」

褒められて嬉しがるのもつかの間。「ただ、初めてにしては良くできてますが、これはいけばなというより花束ですね。
均等に花が扇のように配置されて動きがなくてぺったんこ。」との厳しいご指摘が…。

ここから遂に先生のアドバイスで手直し開始!まずは一番後ろに飾ってあった葉っぱを前方に持ってきて前に垂らし散らばらすように配置。

続いて横に二本並んだバラも一本は前方に挿し直し。更に、後方に隠れ気味だったスイートピーも前方脇に広げるように配置。
最後にそれぞれの花が少しデコボコするように浮かせながら微調整し、「こうしていけばなというのは、立体感とメリハリをきかすのが一番大事なんですよ!」とアドバイスと共に手直し終了。

あっと言う間に、見違えるように立体感が増し、お花が今にも動き出しそうな躍動感に溢れ、まさに「花をいける」醍醐味が詰まった作品に大変身!!

感想

実際に今回生まれて初めていけばなに挑戦させていただきましたが、先生のアドバイスや手直しで一瞬で劇的に変わっていくいけばなを観て感動しましたし、こんなに奥深くて面白いものとは知りませんでした。これをきっかけに、先生のDVDを観て学び、家でもいけばなを楽しみたいと思います!

假屋崎省吾 DVD講座 はじめてのいけ花

はじめていけ花を始める人のために、基本的な技術をまとめた実践的なDVDレッスンです。

  • 第1巻 ¥5,000(税別)
  • 第2巻 ¥5,000(税別)
  • 第3巻 ¥5,000(税別)
  • 第4巻 ¥5,000(税別)
  • 4巻セット ¥20,000(税別)

假屋崎先生の公式サイトで販売中!

本日のおさらい「いけばな」の基本は、ココをしっかり押さえましょう!!

花瓶選びのポイント

いけばなには基本的に、比較的平たい花瓶を使い、中に剣山を置いてそこに花を刺していく「盛り花」と、深めの花瓶の中に直接花を入れていけていく「投げ入れ」という、大きく分けて二つのタイプがあります。初心者の方は後者の「投げ入れ」タイプの、いわゆる背が高くて口が大きすぎない花瓶を選ぶといけやすく、花の本数もそこまでいらないので経済的でオススメです。また、透明の花瓶は中の茎や枝部分も丸見えになり粗が目立つので、初めはあまり透けてない花瓶を選ぶといけやすいです。

花を長持ちさせるコツ

花はお水を吸い上げて生きてますから、まずは全部の花の茎が水にしっかり浸かるように、花瓶にたっぷりのお水を入れること。また、花をいけるにあたり長さを調整するために、ハサミで茎を切りますが、その際は必ず一本ずつ水を入れた容器の中で切る、いわゆる「水切り」をすること。そうすることで空気に触れず茎の中の管を通って水が吸えるので長持ちします。更に、水につかる茎の部分についている葉っぱもちゃんと切り落とすこと。そうしないと水中のバクテリアの増殖し葉っぱが腐り花が枯れる要因となります。

美しく花を生けるコツ

いけばなの基本構成は「色彩」、枝ものなんかを使って表現する「線」、そして花材を集めて作る「かたまり」の三大要素です。そこを意識してバランスをみながらいけるのが美しく見えるコツです。ただ、いけばなはいわゆるプレゼント用の花束とは違いますので、ただ扇型に花を詰め込むのではなく、高さや前後に花を散らばせ、“立体的”にいけることを心がける、というのがポイントです。また剣山を使う盛り花の場合は、あえて葉っぱを少し残し、剣山を葉っぱで隠すとより美しく見えます。

花をいける際のNGポイント

花の部分だけを切り取り、花の茎を水に浸からせないというのはすぐ枯れてしまうので絶対NGです。それ以外では、この花の組み合わせは絶対ダメとかはありませんので、あとは自由に花をいけることをお楽しみください!また、これを機に更に詳しくいけばなの基本を学びたくなった方は、假屋崎先生のDVD講座「はじめてのいけ花」4巻セットをご覧ください♪ https://kariyazaki.shop/product/web/

この冬から春先にオススメのお花

薔薇のような花は一年中ありますので通年でおすすめではありますが、「蘭」の花は冬の花ですので、この時期には特にオススメです。あとは枝ものですが、早春には「ボケ」「蝋梅(ロウバイ)」なんかもオススメです。そのような季節の枝ものとお花を組み合わせると、より一層色んな動きを活かしたカッコイイいけばなが楽しめます。

今年も 假屋崎先生の「うだつをいける」 開催決定!!

2019年度の「うだつをいける」開催が迫る中、假屋崎先生から読者へメッセージをいただきました♪

読者の皆さまへ 私が観光大使もやらせていただいております、徳島県は美馬市のうだつの街並み吉田邸での「うだつをいける」も今年で12回目を迎えます。毎年県内外から多くの皆さんにご覧にいただきありがたいことですが、この「うだつをいける」は、私も大好きな歴史あるうだつの城下町の中で、地元の方にも花集めのご協力やお手伝いいただき、地元の花のみを使った壮大なスケールでいけあげる全国的にも例のないようなプロジェクトです。そこに加え、今年は私自身、35年以上を数える華道歴の上で、還暦を迎えるという記念すべき年でもありますので、今一度基本の心を大切にしながらも、これまでの経験のすべてを注ぎ込み、最高の“美”をつむぎだしたいと思いますので是非お越しください。 假屋崎省吾