ニューヨークから東京に舞台を移し、今や世界中で活躍するヒップホップ界のカリスマ、DJ KAORIさん
今回は彼女の故郷・高知(土佐)の郷土料理を囲みながら、CO-KEYと音楽・四国談義に熱く花を咲かす!

故郷・高知について

CO-KEY(以下C): 今日は宜しくお願いします!

DJ KAORI(以下K): 宜しく~♪

C:
なんか、カオリさんには前からお世話になってるし、同じヒップホップ界の方なので、こういう企画で対談するのも変な気持ちなんですけど・・・
K:
ホントですよね~。私もコーキくんと言えば、最初は私と同じ四国出身って知らなかったんだけど、「阿波バウンス!」とか聴いて、「あ、四国なんだ~」って。顔が南方系で濃いから、ちょっとどっかの国のミックスなのかなって思ってたしね(笑)
C:
よく間違われます(苦笑) 生粋の徳島人なんですけどね。カオリさんも純粋な高知人ですか?
K:
コッテコテの高知人ですね(笑)
C:
なるほど。まあ、高知と言えば、徳島の隣なので、フクポン読者の方も結構知ってる事も多いと思うんですけど、多分何に一番驚くかって言ったら、都会的なイメージのカオリさんが高知県出身だって事じゃないですかね(笑)
K:
そうなんですかね~!? でも本当に四万十川のほとりの片田舎の、小さい町出身なんですよね。
C:
へぇ~。では、そんなカオリさんにまず、故郷・高知の有名なものをお聞きしたいのですが。
K:
まずは、やっぱり今言った四万十川かな。よく子供の頃とか泳いだりしてたけど、川もきれいだし、お水も美味しいし、そこで釣れる天然の鮎とかも美味しいからね~。
C:
ですよねぇ。鮎以外には食べ物系だと名物何かあります?
K:
食べ物っていうか、郷土料理の『さわち料理』は定番ですね。
C:
さわち料理って、いわゆる大皿に食べ物を盛ってるやつですよね?
K:
そうですね。高知では、お祝い事なんかで皆がお家に集まると、今日もここに出てるように(料理を指さして)、カツオのたたきやサバの姿寿司とか、色んな食べ物を大皿に盛って、それをみんなで食べるんですよね。それこそ日本酒と一緒に・・・。
C:
わ~、なんか高知の人って豪快そうだし、すごい飲みそうですね。
K:
そうですね。返杯っていう習慣があって、飲んだらついで返して、一気に飲んでまた相手に返して・・・って永遠に続く感じ。
C:
そりゃ、お酒も強くもなるし、食べ物も豪快に盛るわって感じですね(笑)
K:
ハハハハ。
C:
その他に名物と言えば・・・。
K:
それだと、徳島に阿波踊りがあるように、高知にも「よさこい祭り」がありますね。
C:
あ~、そうだ!「よさこい」も大きいお祭りですもんね。カオリさんも小さい頃、参加とかしたんですか?
K:
そうですね、やっぱり必然的に。高知市内でやってるよさこい祭りだけじゃなく、各地域ごとの小さなお祭りでも、小学校の時とか踊ってましたね。
C:
よさこいって、僕も小学校の時に運動会でマネて踊った記憶があるんですけど、何かカシャカシャやるのがありますよね?
K:
あ~、あの木でできてる鳴子ですね。
C:
あ、それです! それを鳴らしながら踊るんですよね。で、それに合わせて歌ったりもするんでしたっけ?
K:
歌いますよ。「ヨッチョレヨ~♪」っていうよさこい音頭を。
C:
へ~。阿波踊りの「エラヤッチャ~♪」みたいな感じですね。
K:
そうそう。あれもスゴイ良い歌だよね。「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃソンソン~♪」って、人生の基本だと思うもん。人生の傍観者になっちゃダメっていうか、陰で観てないで一緒に参加した方がもっと楽しいよっていう、スゴイ大きなメッセージですよね。いつも聴く度に、良い歌だな~って思うんですよね。
C:
僕もあのフレーズは大好きで、自分の人生のテーマみたいになってます。
K:
だよね~。
C:
それにしても、高知には四万十川によさこい、徳島には吉野川に阿波踊り、県の規模や地理的にも四国の中では、香川、愛媛より若干弱めなとこを含め、かぶりますね(苦笑)
K:
まあ、高松なんかは本州に近いし人口も多いしね。でも、高知だって良い所ですよ~!(笑)
C:
ハハハハッ、知ってますよ~(笑)

音楽について

C:
カオリさんって兄妹はいらっしゃるんですか?
K:
いますよ、姉が。しかも、実はウチ家族全員教師なんですよ、私以外。
C:
えぇ~!ガチガチ固い家系じゃないですか!(笑)
K:
だからもう、私は異端児として・・・(苦笑) 
C:
いやいや、そんな事はないですよ!(笑)
K:
でも割と自由で、やる事だけやっていればいいみたいな家庭でしたね。もちろん父は昭和の人間って感じで、厳しい所もスゴイあったんですけど、そのお陰でニューヨークのゲットーでもやっていけるタフな子になりました(笑) 
C:
あははは!でもウチもよく似たな感じだったんで分かります。それにしても、そんな環境の中でどうやって音楽にハマっていったんですか?
K:
音楽はもとから好きだったんだけど、田舎なんで、あんまりやる事が無かったってこともあり、深夜のラジオとかをチェックし始めて、その辺りからどんどんマニアックになっていきましたね。それから、色んな音楽雑誌とかを読み漁るようになって、・・・まあ、オタクな日々でしたね(笑)
C:
あ~、僕も一緒です。姉の影響で洋楽はマイケル・ジャクソンから入り、どんどんブラック・ミュージックにのめり込んでいき、気に入ったアーティストのCDに付いてるクレジットをヒントに、他の関連アーティストの曲をレコード屋で探すなんてしてましたね。
K:
そうだよね~。田舎な分、情報が少なくて飢えていたから逆にすっごいハングリーだったよね。東京にいると情報が溢れているから自分で探さなくていいし、田舎だったからこそってあるよね。
C:
本当そうです。僕なんか徳島が田舎だったお陰で、高校時代、徳島市の姉妹都市だったアメリカのミシガン州・サギノウ市って所に留学出来るチャンスをもらえたし、その経験がヒップホップアーティストとしての道へ進む決定的なものになりましたからね。
K:
へ~、そうなんだね。
C:
カオリさん場合は、アメリカにはどんなきっかけで行ったんですか?
K:
最初、東京に出ていって、そこからまず、旅行でニューヨークに行ったんですよ。
C:
それはただの旅行って感じですか?
K:
そうですね。でも、私も洋楽が好きだったし、英語も勉強したいっていうのもあって、それで行ってみたんですよ。そしたら、もう一挙に住みたい!みたいになっちゃって、それから1年ぐらいのつもりが10年くらい居ちゃったって感じ(笑)
C:
それもスゴイ話ですね~(笑) でも、そこで本場のトップDJ達から認められ、プロのDJとしてのキャリアを積んでいくわけですけど、行く前からDJはやってたんですか?
K:
真似ごと程度って感じでは。もともとはレコードおたくだったんで、最初はレコードコレクターだったんですよ。でもそれが、現地のクラブとかに行って、音楽で皆が一つになってるのに感動したのと、向こうで本当に自分の事をわかってくれる日本人の仲間達との出会いがきっかけで、徐々に本気でプロのDJを目指すようになった感じですね。
C:
なるほど。やっぱりそういう同じ国や、同郷の仲間・理解者がいるって、すごい心強いですもんね。
K:
ホントそれは今でも生きてるし、大きい財産になってますね。

読者へのメッセージ

C:
それでは、そんなニューヨーク時代を経て、今や日本を代表するDJとなったカオリさんから、徳島で夢を持って頑張ってる読者にメッセージをもらえますか?
K:
そうですね・・・、やっぱり地方で生活していると、限界を感じちゃう場面もあるかもしれないし、普通に恵まれていない部分もあると思うんですけど、本人のやる気さえあれば何でも出来るんだって事は伝えたいですね。だから、田舎にいるから何かが出来ないとか、そういう言い訳は、夢を諦める理由に使ってほしくないですね。私自身、いかなる環境でもやっぱり本人次第なんだっていう事はニューヨークで学びましたからね。最初は英語も喋れなければ、アジア人っていうマイノリティだった中、それでもDJやりたいと思って自分を信じてここまで頑張ってきたから今があるので。
C:
マチガイナイです。それに今の時代、地方にいても出来る事って増えたと思うし、逆に地方でしか出来ない事もいっぱいあると思いますしね。
K:
そうそう。前に、どこかの田舎で、葉っぱを採ってビジネスにしている町をテレビで観たんですけど、あれとかすごい良い例だと思いましたね。
C:
あ、それ、徳島の上勝町って所ですね。
K:
あ~、そうなんだ!例えばそんな事がいくらでもあると思うんですよね。
C:
ですよね。田舎はある意味、武器になりますよね。
K:
ホントそう。だから、田舎にいようが幾つになろうが、色んな事にチャレンジして欲しいし、出来るはずだから、皆さんにもそうやって色んな夢を追いかけながらイキイキして欲しいって思いますね。
C:
では、その為のカオリさん的成功の秘訣なんかあったら教えてもらえますか?、
K:
それは、人と比べず自分なりにやれる事を突き詰めていくっていう事が一番大事じゃないかなって思いますね。
C:
カオリさんはそれを地でいってますもんね。
K:
他人の人生は自分では生きられないですからね。他の人と比べてもしょうがないし、日々自分の立てた目標やなりたい自分に近づいていく努力と姿勢が成功の秘訣ですかね。
C:
ありがとうございます!それでは最後にカオリさんにとって故郷とは?
K:
そうですね・・・、今の自分の基本となる部分なんで、そういう意味では高知の田舎に育って良かったな~って改めて思います。東京で生活していると、周りで見かける子供とかが可哀そうだなって思うんですよ。自由に遊べないし、そんな場所もないし、お金使ってしか遊べないみたいな。そういった面でも、田舎で自由に育って、良い環境で子供時代を過ごせたのは本当に幸せだったって思いますね。
C:
同感です。今日はホントありがとうございました。
K:
こちらこそ楽しかったです(笑)

~こぼれ話1~

C:
カオリさんの影響も大きいと思うんですけど、ここ数年DJという職の認知がかなり広がったと思うんですよ。それですごいと思ったのが数年前、僕の母校で「将来なりたい職業ランキング」っていうのがあったのを見たんですよ。そしたら何と、3位がDJでした!(笑)
K:
それはスゴイね~(笑)
C:
僕がヒップホップにハマった約20年前なんて、ほとんど徳島でヒップホップって言葉すら知られてなかったですからね。すごい時代が来ましたよね~。
K:
でも、そんな風にちょっとでもヒップホップやDJの認知度が上がっていくのはありがたいよね。
C:
まあ、そうですけどDJって外からみたら華やかに見えますけど、実は凄く地味で大変じゃないですか。
K:
そうだね。今でこそゲストで呼ばれて1時間DJする、みたいな感じだけど、ニューヨークとかだと1人で夜9時~朝方4時とか当たり前でしたからね。それを週に4本、5本とやってたので、友達と一緒に遊ぶ暇もなくて、体力的にも精神的にも大変でしたね。
C:
僕のやってるラップも大変ですが、DJは職業にしたくないな~(笑)

K:ハハハハー(笑)

~こぼれ話2~

C:
最近ハマってる事とか何かあります?
K:
ん~、犬とか(笑)
C:
犬飼ってるんですか?
K:
トイプードルに癒されてますね・・・(苦笑)
C:
ワ~、ウチもトイプードルですよ!可愛いっすよね。他にはあります?
K:
後は、溶岩浴と酸素カプセル。やっぱり現場とかで疲れるんで、リフレッシュできるんですよね。
C:
良いらしいですねぇ。今度僕も行ってみよ~。
DJ KAORI INFOMATION
更に詳しい情報は DJ KAORI オフィシャルサイト : http://www.universalmusicworld.jp/djkaori
動画コメント

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