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ワタナベエンターテインメント所属、「R-1ぐらんぷり2014」準決勝進出の若手実力派ピン芸人。5月28日(水)に初DVD「あばれる君です よろしくお願いします。」(税別3,000円/発売元:㈱Contents League)が発売決定。
現在、フジテレビ系「日本語探Qバラエティ クイズ!それマジ!?ニッポン」、テレビ東京系「ポケモンゲット☆TV」にレギュラー出演中。
東北生まれピン芸人のあばれる君です。
最新のノートパソコン並みに薄っぺらい自分の人生を振り返ってみると、意外にも仕事でいろいろなところに行かせてもらったなと感慨深いものがあります。
以前、静岡で人気のスポーツ番組のロケに行かせていただいたとき、企画で山奥で行われる雪合戦の大会に出ることになりました。(東北育ち雪山一点赤リンゴの異名を持つ俺。雪合戦なんてライフワークのようなものだ.....。)
その考え方は甘かったのかもしれません。五人一組のチーム、トーナメント制の戦い、一口に雪合戦と言っても奥が深い。
互いの自陣には、背の低い隠れる壁があり、それをうまく利用し、雪玉に当てられないようにしながら相手の陣地にあるフラッグをとるのです。たった一度も当たってはなりません。
しかし、僕たち番組チームは、一人また一人と容赦ない雪玉の餌食となり、残るは僕ただ一人となってしまったのです。これは、決して僕が雪玉を避けるのが上手かったとかそういうことではなく、本来なら捨て身でフラッグを取りにいくべきところを、ただただスピードの速い雪玉が怖くてずっと隠れていたということです。(何だこの根性なし。)などという声が聞こえてきそうですが、考えてみてください。ヘルメットをかぶりサングラスをかけた学生運動みたいな五人組に狙われる恐怖を。何よりもきつかったのは、身を挺してフラッグを取りに行き雪玉に当たって観戦するしかなくなった自軍の人たちの視線です。いつまでも壁に隠れ続けるプレーリードッグみたいな僕に突き刺さる冷めた視線は、筆舌に尽くしがたいものがありました。
しかし、考え方を変えれば、僕は、雪玉スナイパー五人組と、チームメンバーの視線という二つの敵と戦ったことになるのです。それだけで十分勇敢ではありませんか。結果的に埒があかないと判断したスナイパーたちが、ループシュートのようなほわんとした雪玉を降らせてきてなんとも歯切れの悪い雪玉の当たり方で試合は幕を閉じたのであります。
試合が終わり相手方もヘルメットを取ってみれば、赤いほほの青春18切符みたいな顔をした青年ばかりで、すぐ打ち解けることができたので、トレーニングはしてるんですか?と聞くと「はい。毎日しています。」とのことでした。(雪合戦のトレーニングを毎日?はたして一体どこでやるんだろう.....)と思いながらも熱い男たちを尊敬せずにはいられませんでした。
その戦いから時間が経ち、芸人として成長して行く中で、隠れずに前にでなくては行けない場面が多々あります。そして、そんな場面に出くわすたびに、雪合戦の試合を思い出し、自分の尻を叩くのです。